夏も終わりを告げて、朝晩も涼しく秋らしい季節となってきました。夏に青々と育った葉も、紅葉してきたり、落葉したりと違った表情を見せはじめます。
緑豊かな見て楽しめるお庭・外構は、草木の特質を理解して、植物に優しい配植と手入れしていくことが大事です。今回は、樹木や草花を楽しむためのお庭づくり・維持のポイントについてご紹介します。
POINT1 庭の風通しを考える
樹木が作り出す木陰(こかげ)は、日差しをほどよく遮り、地表の温度上昇を抑え、庭を快適な温度に保つ効果があります。
その反面で、多くの木をお庭・外構スペースに雑然と植えすぎて、葉を過密状態にしてしまうと、風の通りが悪くなり、暖められた空気や湿った空気を停滞させてしまいます。その結果、草木に病気が発生してしまったり、害虫が発生してしまうケースもあります。
作庭する際はもちろん、維持管理していく時も適度に枝を払って「風通し」を意識していくことが重要です。

樹木は適度に植えることで、風の通り道ともなり、心地よい空間となる。

境界部分は、風が通るフェンスを設置することによって、空気の停滞を防いでくれる。
POINT2 光の量を考える
皆さんご存知のように、植物が生育するうえで「日光」は重要な要素です。ただ、強すぎる日差しは、過度な蒸散作用※による樹木へのストレスになったり、日照による幹の乾燥を防ぐために余分な枝葉を増やしすぎたりしてしまいます。
日光の量を調整するための1つとして、様々な高さの木を木陰を意識して植えるという方法があります。背の高い木(高木)の下には中高木、中木、低木、地被植物というように組み合わせて配置していくことで、上層の樹木の木陰によって日照量が調整されます。元来、森に自生している草木は、このような法則に沿っていることが多く、庭や外構もより自然に近い状態にしてやることで、樹木や植物にとっても快適な環境となります。

また、下層の草木にも適度な日光が差し込むように、上層の木の枝葉の量を剪定によって、上手く調節することも大切です。
※蒸散作用とは・・・根から吸い上げた水分を葉から蒸発させる作用

全体の日照量を考えながら、バランス良く剪定することが大事。
POINT3 落ち葉について考える
庭・外構スペースを緑化していくと、落ち葉の飛散に悩まされるケースがあります。特に高木で厚みのある葉の落葉は、雨どいを詰まらせたり、隣家への越境があると厄介です。
これらを予防するためのポイントとしては、以下のものがあります。
・高木はできるだけ自分の建物側に寄せて植える。また、落ち葉による雨どい詰まりを防ぐために、建物側の枝は根本から払う。
・外構スペースの境界付近の樹木は、背の低いものにして、落ち葉の飛散を抑える。
落ち葉自体は、燃えるゴミとして処分してしまう方法もありますが、ストックして腐葉土にすることで、家庭菜園や草木の肥料として再利用することもできます。

ゴミではなく、肥料として有効活用すれば一石二鳥。

雨どいにかかる部分は剪定して、詰まりを予防する。
POINT4 病害虫について考える
緑豊かなお庭・外構を長く楽しむために、病気や害虫についても知っておきたいところ。「植木・庭木特集」ページに説明がありますので、そちらをご覧下さい。